クロッカス (あやめ科)



地面から突き出て咲くやクロッカス  山帰来

土から花だけをもっこりと覗かせているようなクロッカスも、上水堤に隣接した『どんぐり広場』で3輪咲いていた。

周囲の土にまみれず、鮮やかな3輪の黄色がまぶしいくらい。

クロッカスはアヤメ科の球根植物で、早春咲きのダッチクロッカスが一般的だが、香料植物として有名な秋咲きのサフランも同属だそうで、別名はハナサフラン。

原産地はヨーロッパ南部で、アルプス山麓に棲むオオカミにさらわれた猟師ライネルの一人息子クローカスの名前に由来するという伝説を思い出す。

悲しみにくれた父親ライネルの涙が雪の上にこぼれ、そこから咲き出した可憐な花を村人たちは「ライネルの涙」と呼び、後に息子の名前をとってクロッカスと呼ぶようになったとか。

雌しべが糸のように細く、葉も糸のように細いがクロッカスの花はポッチャリと愛らしい。この雌しべもサフランと同じように料理に使えると聞いている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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