ブタナ (きく科)

「あら、ブタナがまだ咲いてる!」「エッ!タンポポじゃないの?」

ほっそりした茎のタンポポだと思い込んでしまっていたのが実はブタナだと同行の友人から教わった。頭花はタンポポとそっくりだが、50〜80センチ丈の花茎は細く、根元付近で3〜4本に枝分かれして3〜4センチ径の花をつけている。

ブタナとはまた可愛そうな名前がつけられたものだ!ヨーロッパ原産で昭和初期に渡来し、発見した植物学者の一人が、フランス名の『豚のサラダ』をブタナと直訳して和名になったそうである。

地面に張り付くようにして放射状に広がっているロゼット葉を、フランスの豚はトリュフ同様に好んで食べていたのかもしれない。

花期は外来タンポポが終わった頃から晩夏だが、上水堤では秋半ばまで見かけられる。よく在来種と西洋タンポポを見分けるのに総苞片が反り返っているかどうかが決め手になるが、ブタナの総苞片は反り返らず真っ直ぐ張り付いた状態になっており、在来種の姿に近い。

葉が地面に張り付いているので草刈によっても残りやすく、荒地や路傍、田畑の周囲に繁殖しているそうだ。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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