ビワ (ばら科) | |||||||||||||||||||||||||||||
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枇杷咲けり街音ここも止む間なし 中村汀女 |
紅葉が遅れているにもかかわらず11月上旬に初冬の花ツワブキが開花して、自然界の異変が感じられるこの頃。 新堀用水際でビワ(枇杷)の花も早々と咲いていた。互生した楕円形の肉厚の葉の基部で、生成り色の5弁の花がラクダ色の花柄にくるまれ房咲きになっていた。 地味な色合いだが、花軸も花柄も柔毛に覆われて防寒の身支度をして芳香を漂わせていた。ビワの花といえば寒中に降り積もった雪の中で咲き続けているのに、余り見向きもされない。 しかし、その光沢のある葉を焦げない程度に火であぶり、2枚合わせて10回ほどすり合わせてから熱いうちに皮膚をなでたり、腹部を丹念にマッサージするビワ療法は3000年の昔から伝承されているとか。花も葉とともに蒸して食すると咳止めになり、葉を煎じたりリカー漬けにすると皮膚炎や火傷、水虫、捻挫に効能があるという。 ビワはバラ科の常緑高木で中国南西部原産、日本には古代に持ち込まれたと伝えられる。ビワの花の葯にも毛が密に生えており、自家受粉が可能で沢山の実をつけ梅雨時に黄橙色に熟する。 |
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