アズマザサ (いね科)

「武蔵野といずこを指して分け入らむ 行くも帰るも果てしなければ」と、北条氏康(関東地方一円を支配していた戦国大名)に詠まれているように、江戸開幕以前の武蔵野は果てしない原野が広がっていた。

玉川上水が開削後、開拓に着手した人々の手を最も煩わせたのは地に根を張っていたアズマザサ、アズマネザサなど笹類だったと言われている。

現在でも草刈を怠っていると、それら笹類がかつての勢いを取り戻して増えて来る。放置しておくと2メートル以上にも伸びて群生し、他の下草を駆逐してしまう。

そんな獰猛なアズマネザサにも初夏には初々しい花が。新しく伸びた茎(稈)に花柄を側生させ、その先に3〜5個の小穂をつけ、被針形のピラピラした黄色の花を下げていた。

花は長さが1〜1.5センチくらい。よほど気をつけてないと目に入らないだろうが、梅雨時くらいまであちこちで見かけた。その姿は田畑で獣や野鳥を追い払うために用いられる鳴子に似ている。

なお、ササとタケの違いは生長しても竹の子の稈鞘(かんしょう)が落ちないものをササ(イネ科)、落ちるものはタケと分類される。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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