アリタソウ (あかざ科)


初夏から秋半ばにかけて上水堤と接した舗装道路の境界線などに、ゲリラの如く繁茂していたこの野草。不精髭のように茫々と伸び放題で、目をそむけるようにしていたが、猛暑に差し掛かった頃に細かく分岐した枝葉の先に花らしくない小さな花穂を。

薄緑色の花径は3〜5ミリで地味この上なく名前を調べる気にもならなかったが、その立ち枯れ状態になっている姿にそっくりな画像を偶然ネットで発見!

その名はアリタソウ。荒れ地や川原など悪環境に育つメキシコ原産の帰化植物で、アカザ科の一年草。寛文(1661-1673)年間に渡来したとする説がある。

大正年間に逸出したと言われ、今日では各地で雑草化している。和名はかつて滋賀県有田で薬草として栽培したことによるそうで、強い駆虫作用を持つヘノポジ油の含有率が高いが、家畜には有毒とのこと。

花穂の部分には小さな葉状の苞が結構たくさん並んでおり、花被は5つに裂けている。互生した葉は長い楕円形で長さ3〜8センチ、縁には不規則で粗い鋸歯。草丈は30〜90センチくらい。都市部では迷惑な雑草に。
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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