アマナ (ゆり科)

まだ冬を越した落葉に土手が覆われている3月下旬から4月上旬頃、玉川上水堤の数ヵ所で、10センチ前後の2枚の細い葉が左右に伸びて緑を添えはじめる。

しばらくするとその葉の間から7センチ前後の長さの細い花茎が伸びて、先端に赤味がかった乳白色の釣鐘形の花をつける。釣鐘の奥を覗くと赤紫色の雄しべの葯があでやかだ。

草丈が低く葉もほっそりしているので、見逃すことが多い。花が開くのは日の当っているときのみで、花が10日前後で終ると葉の部分は1ヶ月前後で枯れるように目に止まらなくなる。

花の期間は短いが、群をなして次々と愛らしい小型チューリップのような花を咲かせる姿は楽しく、下草として調和よく上水土手を彩る。

アマナとヒロハアマナがあるが、上水土手ではヒロハアマナはほとんど見られずアマナのみが群生し、東京近郊では珍しいと思う。

ヒロハアマナはやや葉の巾が広く、葉の中央に一本緑白色の帯があるので見分けられる。
土の中にある鱗茎が食用になり、それが甘いことからこの名があるという。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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