アカシデ (かばのき科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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下草がひざ丈を越し、日増しに緑濃くなっていく上水木立で枝葉が揺れ動くたびに、幾重にも重なった花穂か果穂のような若緑色の房がひらひらとそよいでいるのに気がついた。居合わせた観察会のベテランによるとアカシデ(赤四手)の果穂とのこと。 レイヤードスカートのようなひだひだが翼で、その付け根に種子を抱えており、熟するにつれて一枚ずつはがれて風に乗り種子を散布するそうだ。翼の径は1〜2センチ、それらが重なった果穂の長さは5〜8センチはあろうか。感心するほど巧妙にでき、その造形の見事さに見とれてしまった。 残念ながらアカシデは落葉高木で、はるか頭上で揺れているので省察はできなかったが、翼と翼の重なった部分に若い種のようなものは認められた。アカシデは北海道南部から九州、朝鮮に分布するカバノキ科の落葉高木で、低地から丘陵地帯の二次林に生育。和名の由来は若芽が赤いことと、秋に美しく紅葉することから。別名はソロまたはソロノキ、コソネ。 花は3〜4月に咲き、雌花序は葉とともに出て数センチの柄があり、雄花序は柄がなく穂状に垂れ下がって長さ4〜5センチ。同じ仲間のイヌシデと見分けがつきにくいが、若葉がイヌシデより赤色で目立つそうだ。シイタケのほだ木や製炭材、屋敷林や公園木などとして利用されてきた。 |
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