ある日、本棚を整理していたら、小平市玉川上水を守る会から刊行された『玉川上水の野草』集の第1、第2集が出てきました。

奥付を見ると第1集は20年以上も前、昭和58年(1983)7月に刊行されています。緑色の表紙はすっかり色あせ、ガリ版刷りの文字も薄れかかっていましたが、当時、同会のメンバーが手作業でページ毎にサービス版の写真を貼り付けていた姿が、昨日のことのように思い出されました。

同会会報に毎号、玉川上水の土手で観察した野草の記録やエッセーを連載していた織田雅雄さんが中心になって編集されたもので、全3冊に200種にのぼる野草が紹介され、それらの写真も織田さんが撮影した労作です。

当時ですらガリ版印刷の冊子は珍しく、まして各ページにプリント写真を貼り付けて製本するなんて!前代未聞ではないかしら!まさに手作りの限定200部で、ごく限られた人しか目にしたことがないでしょう。

復刻も今となっては難しく、それでは勿体ない…という発想から、『KSNC上水事典サイトの会』仲間の応援を受けながら、今回ホームページ版で作成することにも挑戦しました。

作成にあたって、野草のガイドや紹介文をスキャナで読み取り、文書ファイルに変換する作業を一手に引き受けてくれた仲間の力がなければ、到底取り掛かれなかったことでしょう。

写真は新たにデジカメで撮り直していますので、原本と同じ野草を開花期に見つけ出し、どれだけ撮影できるか…気の遠くなるような作業です。

撮影できた野草から順次掲載しており、50音別のインデックスも加えましたが、この20年間には自生環境の変化も大きく、新たに出会った野草も順次追加していく予定で、改訂版になればと思っています。

印刷も製本も手作業で編み出された
『玉川上水の野草」集原本。
小平市中央図書館郷土資料室にも収蔵



項目毎に野草の写真プリントを
糊付けしている汗の結晶。


KSNC上水事典サイトの会

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