小平市玉川上水を守る会編



              『立川市緑の12景』

立川市緑化推進協議会は平成15年(2003)、市民に親しまれた緑
の風景を次世代に残そうと「立川市緑の12景」を選定した。

12景は原風景、社寺・屋敷林、都市緑化の3つに分類、5ヵ所
の原風景の1つとして玉川上水(旧砂川一帯)が選ばれた。立
川市がまだ村であった明治20年代に住民が描いた風景をもとに
「立川村12景」を選んだことがあり、今回のものはその現代版で
ある。

立川市砂川町付近の玉川上水といえば見影橋近くに「巴河岸跡」
と書かれた史跡解説板がある。ここは明治3年(1870)玉川上水
の通船が認められた当時の船着き場跡である。
東京へ農作物を運ぶ船が1日100隻ほど行き交ったといわれる。
この船着き場は通船の実現に尽力した砂川源右衛門の屋敷裏に
つくられていた。

福生市の田村酒造場でも8隻の船で東京へ清酒を送り、帰りは
昆布などの乾物を積んで戻ってきたと伝えられている。通船事
情は羽村、砂川などの有力者の願いで実現したものだが、飲み
水が汚れるとの理由で2年間で廃止となった。

砂川の玉川上水周辺に豊かな野草が茂って季節の花を咲かせて
いる。地元では平成元年(1989)に「玉川上水の自然を考える会」
が発足し、砂川周辺も、玉川上水保護の重要な地域である。



立川・見影橋付近の玉川上水の
桜並木




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