小平市玉川上水を守る会編 |
松本清張 |
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本名:清張(きよはる)。福岡県生まれ。『或る小倉日記伝』で芥川賞受賞。不遇な人間の怨念や過去を動機とした社会派推理小説の道を拓く。小説『点と線』『砂の器』などヒット作を放つ。歴史の裏側を暴く『日本の黒い霧』『昭和史発掘』『古代史疑』など幅広い分野で多くの重厚な作品を残した。平成4年(1992)、82歳で死去。 時代小説も手がけ、その一つに玉川上水が登場する『乱灯江戸影絵』(1985)がある。第8代将軍吉宗の長男家重と田安家の次男宗武との次期将軍擁立をめぐって、重臣たちが暗躍。八丁堀同心、香月弥作がナゾ解き、事件を解決する。玉川上水が登場するのは、こんな場面だ。 「千駄ヶ谷の西に当たる玉川の上流の土手を弥作は釣竿をかついで歩いた。この東側は永井信濃守の屋敷がかたまっているが、西側になると、内藤駿河守の広大な下屋敷が長々と土塀を連ねている。土手を歩いていると水車小屋があった」。現在の新宿御苑付近と思われる。 清張は2度、小平市鷹の台付近の玉川上水を歩いている。「2度目は約15年前、私の書店のホールで開いた講演会の待ち時間を利用しての散策でした」(次男、昭氏)。昭氏は、西武国分寺線鷹の台駅近くの書店「松明堂」社長。 |
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