小平市玉川上水を守る会編 |
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『上水記』 |
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江戸幕府普請奉行上水方道方・石野遠江守弘道が、天明8年(1788)に 稿を起こし寛政3年(1791)に完成したものである。 この時3部作成し、 1部を11代将軍家斉に献上し、1部を老中筆頭松平 定信に進呈、1部を御普請方上水方道方役所に納置した。 玉川上水開削からほぼ140年後に書かれたもので、3代玉川庄右衛門・ 清右衛門によって 正徳5年(1715)に書かれたと推定される「書状」に典 拠している。 なお、今日、将軍に献上されたものは内閣文庫(一部欠損)に、老中松平 伊豆守定信に進呈されたものは大河内家 (玉川上水の総奉行を勤めた 松平伊豆守信綱は、大河内家出身)に…となっているが不明。 3組目の御普請方上水方道方のものが、 東京府、東京市、東京都水道 局へと伝わって、水道歴史館(文京区本郷)に納められている。東京都指 定有形文化財(古文書)である。 『上水記』は玉川上水の開削、配水、料金徴収、水番などに関することを 記録しており、玉川上水の沿革を知る上での基本資料となっている。 ただし、『上水記』に書かれた工事下命期日、請負金、完成期日について は、『厳有院殿御実記』(4代将軍家綱の記録)と食い違いを見せている。 |
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