「東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部」の創設に関わり副会長も
引き受けていた鍋島直映侯爵の直系子孫である鍋島氏も、軽井沢から子息
とともに駆け付けて、別荘を手放してからも中禅寺湖にはワカサギ釣りに
訪れているそうで、「この自然の美しさは日光の地元の人々だけでなく、
日本全体いや世界の財産として共有し守ることによってハンス・ハンター
が構想していた真の国際交流が実現するのでは…」とスピーチを。

杉本ニッカウヰスキー栃木工場長は日本のウィスキーの誕生の歴史や種類
製造過程を語りつつ、ハンス・ハンターが愛飲していた独自のウィスキー
にも触れ、麦芽を原料にしたモルトタイプであったように思うと。
シェリー酒の樽で熟成させていたそうだが、シェリー樽で寝かせることに
よって琥珀色の香りが高いウィスキーが生まれるとのこと。杉本氏はチー
フブレンダーでもあり、モルトウィスキーを水と1対1で割ったハーフ&
ハーフを静かに飲むが最高の味わい方で、彼も飲んでいた炭酸で割ったハ
イボールが最近復活しているのは大変嬉しいとのこと。

足利銀行日光支店長の林氏は、入行当初サラリーの大半は飲み代に消えて
いたそうで、新婚旅行に選んだのも本場スコッチが飲めるイギリス。スコ
ットランドの蒸留所も訪ね、ロンドンで1打ものスコッチを買い占めて、
あわや成田離婚になりそうだったと、参加者を大いに沸かせました。

この日、杉本工場長からニッカのモルトウィスキーの数々が参加者に振舞
われ、ハンス・ハンターがお気に入りだった千手ヶ浜のクラブハウスの裏
で汲みあげた湧水で割って試飲を。その芳香につつまれながら骨董の蓄音
器のハンドルを回して、日本のオペラ歌手の草分けである三浦環の歌声で
「庭の千草」などスコットランド民謡に耳を傾けました。

ハンス・ハンターを偲んで蘭の献花と流花

洋蘭栽培もハンス・ハンターの熱した趣味の一つで、輸入元の英国サンダー
にはHハンターなる品種の蘭もリストに登録されていたとか。
その蘭の切り花が主催者で用意されており、参加者が一人ずつ西六番別荘跡
の暖炉に献花。引き続いてその蘭の花びらを中禅寺湖の湖面に散じて合掌を。
湖水にはもう夕闇が立ちこめて、淡いピンクの蘭の花びらは波間に漂いながら
遠ざかって…。



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