オニノゲシ (きく科)

(ハルノ)ノゲシにそっくりだが、アザミの葉に似た羽状の葉が大蛇のようにくねり、鋸歯の先端の刺が鋭くて触るとチクッと痛いオニノゲシ(鬼野芥子)には晩秋になっても出会う。さすが鬼と名が付くだけあるわいと、その生命力がまぶしくなる。

ヨーロッパ原産の帰化植物で図鑑によって二年草あるいは越年性の一年草と書かれているが、上水堤周辺では季節を問わず咲いており、初夏から初冬に多く観察できる。

農地の縁に生育しているオニノゲシは草丈が1メートル近く、稜の目立つゴツゴツした茎も太く“幹”と呼べそうで、総苞片にも花柄にも腺毛があり、黄色の頭花は“要塞”に守られている感じを受ける。

葉の基部が耳状に茎を抱いているのがノゲシとの違いであるという。

キク科特徴で径2センチぐらいの頭花の花びら一枚一枚が舌状花で、咲き終わった後の痩果は白い冠毛によって散布される。

秋口になると蕾や開花した頭花の脇で冠毛に包まれた痩果も見られ、オニノゲシの花の一生が観察できて面白い。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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