ニリンソウ (きんぽうげ科)



二輪草ときには婦唱夫随にて  相馬沙緻
菜の花の咲く頃、太陽が沈み、夕闇が迫る上水の土手に群生したニリンソウの白い花が浮き出て、ドラマティックなくらい幻想的なシーンに。

このところ年々群生は広がり、畳2〜3枚分はあろうかと思われるエリアも増えてきた。春先、枯れ草の中から深い切れ込みのある根生葉が出揃い、輪生した3枚の葉の真ん中から花茎が二本伸び、先端にそれぞれ白い5弁の花をつけるが、花弁に見えるのは萼である。

ニリンソウは一組の根生葉に二輪ずつ咲くことから、その名で呼ばれるようになったという。

二輪でカップルをなしてはいるが、同時に開花せず5日ぐらい前後して咲き、その奥ゆかしさと睦まじさで『夢をかさねるふたりは二輪草』と歌謡曲がヒットしたのかも。

仲間にイチリンソウとサンリンソウがあるが、ニリンソウの中にもイチリンソウの変種もあり、3輪つけている姿もしばしば見かける。

近年は花びらを4枚または6枚、7枚つけているのも混じっており、変異してきているのかどうか…。根茎は「地烏(ジウ)」と呼ばれ、漢方薬として用いられる。若葉は山菜として食用とされるが、有毒植物であるトリカブトの若葉に似ていることから注意が必要

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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