2008年5月28日〜6月3日 
そのM ケンジントン駅
赤毛のアンが孤児院からスペンサー夫人に連れられて降り立ったのはブライトン駅ですが、プ
リンスエドワード島に鉄道が初めて敷かれた当時開設されたケンジントン駅の駅舎が保存され
ておりました。駅舎の正面入り口に1905年と記されていました。
以来、島の唯一の公共交通機関として利用されていましたが、車の普及とともに鉄道の維持費が
住民の重い負担になり、島民投票により1948年に廃止されたそうです。モンゴメリ女史も赤毛
のアンもこの鉄道で島の中心地で州都シャーロットタウンの大学に通う時に使われた鉄道です。
ケンジントン駅舎は石造りの堅固な建物で、建築文化財としても重要な存在として、また観光名
所としても人気スポットに。 駅舎の一室はプリンスエドワード鉄道操業時代に使われた列車のラ
ンプや表示板などが展示されていましたが、訪ねた日は生憎休館日でした。
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キャベンディッシュからネクタイを締めて馬車で迎えにきたマシュー・クスバート。列車は時刻よ
りも早く着いて既に発車しており、孤児院からやってくるはずの男の子の姿は見当たりません。駅
長に尋ねたところ、「今の列車で降りたのはあの砂利の山の上に座っている女の子だけだよ」。そ
のニンジンのように真っ赤な髪の毛をして、そばかすだらけのやせっぽちの少女がアンでした。
戸惑っているマシューに、I suppose you Mr.Matthew Cuthbert of Green Gables?
と少女の方から声をかけてきました。とてもはっきりとした甘い声でした。